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「日本の発酵」が消えかかっているという現実

大切なこと

皆さんは、「日本の調味料は発酵している」と思っていませんか?
私も以前はそう信じていました。

でも実は――醤油も、味噌も、お酢も、日本酒も、米麹までも。
いま私たちが口にしている多くの“発酵食品”は、ちゃんと発酵していないのです。

現代の多くの発酵は、「培養麹菌」によって人間の都合でコントロールされています。
だから「腸活にいい」と言って色々食べても、本来の微生物の力が働いていないことも多いのです。
知らないうちに、日本の本物の発酵文化は姿を消しかけています。

たとえば醤油。
自然栽培の大豆と小麦、天日塩、そして天然の蔵付き麹菌で仕込まれた醤油を作る蔵は、
いまや全国でもごくわずか。
私の知る限りでは、静岡の栄醤油さんと島根の森田醤油さんくらいかもしれません。

私は思うのです。
発酵とは、人間がコントロールしてはいけないものではないかと。
自然の摂理に沿って、微生物たちが自らのリズムで生きる。
そこに“いのちの循環”が宿るのだと思います。

けれど今の社会では、「発酵」もビジネスの道具になりつつあります。
人間が効率や安定を求めすぎた結果、
自然の力をねじ伏せ、操作することが“当たり前”になってしまいました。

抗生物質を使いすぎると耐性菌が生まれるように、
麹菌も手を加えすぎれば、いつかそのバランスを崩すかもしれません。

だからこそ私は、
「自然の摂理に逆らわない発酵」を取り戻したい。
それが、本当の意味で身体と心を整える食の原点だと思っています。

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